02.25
Tue
皆さんお久しぶりです
怠惰な管理人、白凪迅です
そういえば今年初記事ですね~
「暇潰しor現実逃避?」を今年もよろしくお願いします
(1000hit達成記念や、一周年記念など色々重要な行事をすっぽかしてしまいました・・・・・・すみません)
さて、あいさつもおわったことですし、本題に
本日は番外編ということで本編とは違ったストーリーを楽しんで頂こうと思います
というのも、本編の次話を書いた原稿を無くしてしまいまして-
見つかるまでの間、番外編という形をとらせて頂きます
では、Glacierの世界を楽しんでください
番外編1「恩師からの連絡 Part1」
「フー、フゥッ、クッ」
銃二丁、換えマガジン6つ、小型爆弾5つ装備した軍パンに、ナイフを各一本づつ仕込んであるブーツ、
上半身裸という姿でアルデは先程からウェイトルームで懸垂を続けていた。その時館内放送が流れた。
「イヌカ中将、お電話です。事務室までお越し下さい」
「ん?・・・・俺か」
適当に汗を拭き、乾いた黒無地のTシャツを着る。地下にあるウェイトルームから、一階入り口付近にある
事務室に上がり、手短な隊員に声をかけた。
「俺に電話がかかってきたって聞いたんだけど・・・・・・」
「あ、はい。こちらへどうぞ」
そう言って事務室の中に通される。手渡された受話器から聞こえたのは懐かしい恩師の声だった。
「アルデ君、久しぶりだな」
「グレイブ中将!ご無沙汰してます。お元気でしたか?」
声の主は8年前のあの事件を最後に、引退したアルデの元上官グレイブ・アマティラスだった。
「中将と言うのはやめてくれ、もう引退したんだ。用というのはな、以前訪れた島で、面白い物を手に入れてな、
それを見せたいんだ。来てくれないか?出来れば1人で来てほしい。あまり大勢の人に知られたくない。
貴重な物だからな。」
「わかりました、すぐ伺います。」
「うむ、待っとるぞ」
ガチャと受話器を置く音が聞こえた。ありがとう、と礼を言い、受話器を事務隊員に返し、事務室を出る。
手土産は何にしようか、などと考えながら歩いているとセントの部屋から良い香りが漂ってきた。
「これは・・・・・・」
これは良い土産を手に出来る、とセントの部屋にノックをしてはいる。
「おぉ、どうかしたかね?」
大きな窓からGlacierの街をコーヒー片手に見下ろしていたセントが嬉しそうにこちらを向いた。
「いえ、良い香りがしたので、つい」
そうかそうか、と頷くセントに対し彼は切り出した。
「今からグレイブ教官のところに行くのですが、何か良い手土産はないかと思っていまして・・・・・・
元帥は何か良い案がありますか?」
ほぉ、グレイブか、と少し驚きながらセントはコーヒーの袋を一つアルデに投げてよこした。
「懐かしいな島に帰ってきているのか、それを私からだと持って行ってくれ」
「分かりました、喜ばれると思います」
アルデの返事に満足そうに微笑んだ彼は、今度酒でも飲みに行くかな・・・・・・、と窓を見下ろしながら考えていた。
自分の部屋に戻り、ヘルメットとバイクのキーだけ取り地下駐車場に降りる。
「中将、お出かけですかな?」
警備のがたいの良い老人がヘルメット片手に降りてきたアルデに話しかけた。
「えぇ、古い知り合いが帰ってきてるみたいで」
「それはそれは、久々の再会を楽しんで下さいな」
片手でそれに答え、バイクに跨がる。キーを回すと共に、心地のよいエンジン音が駐車場内に響き渡った。
フルフェイスのヘルメットを被り、発進する。
「良い天気だ」
基地と本島とをつなぐ海上に渡された橋を走りながらその天気の良さにアルデの気分もよくなる。
Leafyの街を通り抜け、今は土日限定で開いている山の上のセントのカフェの横を通り、島道から外れた
山の中に続く道に進む。しばらくすると視界が開け、大きなログハウスが一軒ポツリと立つ場所に着いた。
「ここに来るのも久しぶりだな。」
バイクから降り、ヘルメットをハンドルに掛ける。大きな木星の扉を数回ノックし、グレイブが出てくるのを待つ。
しかし、いくら待っても返事がない。
「グレイブ中将、アルデです」
声を出しながらドアを少し強めに叩く。返事はない。ドアノブに手を掛けると、扉が開いた。おかしい、
そう思ったアルデは軍パンの右太ももに装着されているM92F[military ver.]を引き抜いた。
スライドを引き、弾丸を装填する。
「入りますよ・・・・・・」
肩でドアを押し開け、いつでも撃てるように構えながら奥へとすすむ。異様な静けさと、微妙な暗闇がアルデを包む。
後ろで何かが動く気配がした。とっさに振り向き銃を向けるが何も居ない。嫌な汗がアルデの額を流れる。
「グ、グレイブ中将?そこにい、いらっしゃるのですか?」
あまりの圧迫感に彼の舌も上手く回らない。気配のするほうに銃を向けながら数歩進む。
その時だった。アルデの首にひやりと冷たい金属の刃が当てられた。
『背後からの接近にまったく気づけなかっただと・・・・・・』
「銃を落とせ、手はそのまま前に出していろ」
言われたとおりにするほか無い。銃を落とすと同時に、左太ももに装着されていたもう一丁のM92Fが抜き取られた。
後頭部に銃口が向けられたことが雰囲気だけで感じ取られた。
『蒼炎で何とか出来るか?・・・・・・』
しかし、そんなアルデの目論見はあっさり壊された。
「あぁ、弾丸は自前の対能力者用だ。刀は最悪防げても、頭が吹っ飛ぶのは確定だな」
万策尽きたか・・・・・・そう思ったとき後ろの人物が大爆笑を始めた。刀と銃が下げられる。
「があぁはっはっはっはっはっはっ!!アルデ、久しぶりだな、まんまと引っかかりおうて」
その声にアルデはため息をつく。
「もう少し心臓に良い出迎えを頼みたいものです・・・・・・」
壁によりかかり過度の緊張でぐったりなっているアルデにその人物は話しかけた。
「この程度でその様とはのぅ、まだまだだな」
「ここまで気配を消せる奴はそう居ませんよ・・・・・・」
アルデの返答に、それもそうだな、また笑う。
「ホントに、勘弁して下さいよ。グレイブ中将」
先程までの静寂とは打って変わり、ログハウスの中は楽しそうな笑い声で満たされていた。
PART2へ続く
いや~PART1だけでも大概長くなってしまいましたね~
久々に書くと面白いものです
では、次のPART2でまた会いましょう
以上、白凪迅でした
怠惰な管理人、白凪迅です
そういえば今年初記事ですね~
「暇潰しor現実逃避?」を今年もよろしくお願いします
(1000hit達成記念や、一周年記念など色々重要な行事をすっぽかしてしまいました・・・・・・すみません)
さて、あいさつもおわったことですし、本題に
本日は番外編ということで本編とは違ったストーリーを楽しんで頂こうと思います
というのも、本編の次話を書いた原稿を無くしてしまいまして-
見つかるまでの間、番外編という形をとらせて頂きます
では、Glacierの世界を楽しんでください
番外編1「恩師からの連絡 Part1」
「フー、フゥッ、クッ」
銃二丁、換えマガジン6つ、小型爆弾5つ装備した軍パンに、ナイフを各一本づつ仕込んであるブーツ、
上半身裸という姿でアルデは先程からウェイトルームで懸垂を続けていた。その時館内放送が流れた。
「イヌカ中将、お電話です。事務室までお越し下さい」
「ん?・・・・俺か」
適当に汗を拭き、乾いた黒無地のTシャツを着る。地下にあるウェイトルームから、一階入り口付近にある
事務室に上がり、手短な隊員に声をかけた。
「俺に電話がかかってきたって聞いたんだけど・・・・・・」
「あ、はい。こちらへどうぞ」
そう言って事務室の中に通される。手渡された受話器から聞こえたのは懐かしい恩師の声だった。
「アルデ君、久しぶりだな」
「グレイブ中将!ご無沙汰してます。お元気でしたか?」
声の主は8年前のあの事件を最後に、引退したアルデの元上官グレイブ・アマティラスだった。
「中将と言うのはやめてくれ、もう引退したんだ。用というのはな、以前訪れた島で、面白い物を手に入れてな、
それを見せたいんだ。来てくれないか?出来れば1人で来てほしい。あまり大勢の人に知られたくない。
貴重な物だからな。」
「わかりました、すぐ伺います。」
「うむ、待っとるぞ」
ガチャと受話器を置く音が聞こえた。ありがとう、と礼を言い、受話器を事務隊員に返し、事務室を出る。
手土産は何にしようか、などと考えながら歩いているとセントの部屋から良い香りが漂ってきた。
「これは・・・・・・」
これは良い土産を手に出来る、とセントの部屋にノックをしてはいる。
「おぉ、どうかしたかね?」
大きな窓からGlacierの街をコーヒー片手に見下ろしていたセントが嬉しそうにこちらを向いた。
「いえ、良い香りがしたので、つい」
そうかそうか、と頷くセントに対し彼は切り出した。
「今からグレイブ教官のところに行くのですが、何か良い手土産はないかと思っていまして・・・・・・
元帥は何か良い案がありますか?」
ほぉ、グレイブか、と少し驚きながらセントはコーヒーの袋を一つアルデに投げてよこした。
「懐かしいな島に帰ってきているのか、それを私からだと持って行ってくれ」
「分かりました、喜ばれると思います」
アルデの返事に満足そうに微笑んだ彼は、今度酒でも飲みに行くかな・・・・・・、と窓を見下ろしながら考えていた。
自分の部屋に戻り、ヘルメットとバイクのキーだけ取り地下駐車場に降りる。
「中将、お出かけですかな?」
警備のがたいの良い老人がヘルメット片手に降りてきたアルデに話しかけた。
「えぇ、古い知り合いが帰ってきてるみたいで」
「それはそれは、久々の再会を楽しんで下さいな」
片手でそれに答え、バイクに跨がる。キーを回すと共に、心地のよいエンジン音が駐車場内に響き渡った。
フルフェイスのヘルメットを被り、発進する。
「良い天気だ」
基地と本島とをつなぐ海上に渡された橋を走りながらその天気の良さにアルデの気分もよくなる。
Leafyの街を通り抜け、今は土日限定で開いている山の上のセントのカフェの横を通り、島道から外れた
山の中に続く道に進む。しばらくすると視界が開け、大きなログハウスが一軒ポツリと立つ場所に着いた。
「ここに来るのも久しぶりだな。」
バイクから降り、ヘルメットをハンドルに掛ける。大きな木星の扉を数回ノックし、グレイブが出てくるのを待つ。
しかし、いくら待っても返事がない。
「グレイブ中将、アルデです」
声を出しながらドアを少し強めに叩く。返事はない。ドアノブに手を掛けると、扉が開いた。おかしい、
そう思ったアルデは軍パンの右太ももに装着されているM92F[military ver.]を引き抜いた。
スライドを引き、弾丸を装填する。
「入りますよ・・・・・・」
肩でドアを押し開け、いつでも撃てるように構えながら奥へとすすむ。異様な静けさと、微妙な暗闇がアルデを包む。
後ろで何かが動く気配がした。とっさに振り向き銃を向けるが何も居ない。嫌な汗がアルデの額を流れる。
「グ、グレイブ中将?そこにい、いらっしゃるのですか?」
あまりの圧迫感に彼の舌も上手く回らない。気配のするほうに銃を向けながら数歩進む。
その時だった。アルデの首にひやりと冷たい金属の刃が当てられた。
『背後からの接近にまったく気づけなかっただと・・・・・・』
「銃を落とせ、手はそのまま前に出していろ」
言われたとおりにするほか無い。銃を落とすと同時に、左太ももに装着されていたもう一丁のM92Fが抜き取られた。
後頭部に銃口が向けられたことが雰囲気だけで感じ取られた。
『蒼炎で何とか出来るか?・・・・・・』
しかし、そんなアルデの目論見はあっさり壊された。
「あぁ、弾丸は自前の対能力者用だ。刀は最悪防げても、頭が吹っ飛ぶのは確定だな」
万策尽きたか・・・・・・そう思ったとき後ろの人物が大爆笑を始めた。刀と銃が下げられる。
「があぁはっはっはっはっはっはっ!!アルデ、久しぶりだな、まんまと引っかかりおうて」
その声にアルデはため息をつく。
「もう少し心臓に良い出迎えを頼みたいものです・・・・・・」
壁によりかかり過度の緊張でぐったりなっているアルデにその人物は話しかけた。
「この程度でその様とはのぅ、まだまだだな」
「ここまで気配を消せる奴はそう居ませんよ・・・・・・」
アルデの返答に、それもそうだな、また笑う。
「ホントに、勘弁して下さいよ。グレイブ中将」
先程までの静寂とは打って変わり、ログハウスの中は楽しそうな笑い声で満たされていた。
PART2へ続く
いや~PART1だけでも大概長くなってしまいましたね~
久々に書くと面白いものです
では、次のPART2でまた会いましょう
以上、白凪迅でした
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コメント
迅さん、お久しぶりですね~
とても面白い内容ですが、僕的には
対能力者用の弾丸ではなく、通常の弾丸を撃たれ
能力で受け流しつつ反撃に出るアルデの戦いが見たかったです
偉そうにすみません
後、所々漢字の変換ミスがありますよ~
では、続き楽しみにしてます
とても面白い内容ですが、僕的には
対能力者用の弾丸ではなく、通常の弾丸を撃たれ
能力で受け流しつつ反撃に出るアルデの戦いが見たかったです
偉そうにすみません
後、所々漢字の変換ミスがありますよ~
では、続き楽しみにしてます
風河雷牙 | 2014.02.27 23:02 | 編集
〉風河さん
なるほど、それはそれで面白そうですねー
この二人が戦うのもみてみたいものです
漢字の変換ですね!本当だ…木星の扉ってなってる
ご指摘ありがとうございます
なるほど、それはそれで面白そうですねー
この二人が戦うのもみてみたいものです
漢字の変換ですね!本当だ…木星の扉ってなってる
ご指摘ありがとうございます